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映画「探偵はBARにいる3」犯人の動機が悲しすぎる…ネタバレ感想

札幌で探偵を生業とする男と、その相棒が活躍するあの映画が、4年ぶりに帰ってきました!

3作品とも映画館で観ましたが、この3作品目で「探偵」と「相棒」のバディものとして
しっかり固まったのかなと感じました!

 

 

 

 

探偵はBARにいる3,感想

探偵(大泉洋)(画像出典:http://www.tantei-bar.com/sp/cast.html)

 

探偵はBARにいる3,感想

高田(松田龍平)(画像出典:http://www.tantei-bar.com/sp/cast.html)

 

 

あらすじ

 

探偵は、いつものように厄介ごとを解決後、
いきつけであり事務所代わりとしても使っているススキノのBar「ケラーオオハタ」で、
相棒・高田の後輩から失踪した自分の彼女・諏訪麗子を探してほしいという依頼を受けます。

 

探偵はBARにいる3,感想

諏訪麗子(前田敦子)(画像出典:http://www.tantei-bar.com/sp/cast.html)

 

興味本位から引き受けた人探しの依頼。
探偵たちは、諏訪麗子は大学生で勉学に励む傍ら、
彼氏に内緒で体を使った小遣い稼ぎをしていたことを突き止めます。

「愛人作って、どこかへ逃げたか。そんな話はよくある」

そう思ったが、彼女が働く店「ピュアハート」のバックには、
裏社会では有名な北城グループの覚せい剤密輸、それに関わる殺人事件の影が見え、
当然、周囲を嗅ぎまわる探偵たちはグループの代表である
北城仁也の愛人・岬マリの手下たちに何度も襲われます。

 

探偵はBARにいる3,感想

北城仁也(リリーフランキー)(画像出典:http://www.tantei-bar.com/sp/cast.html)

 

探偵はBARにいる3,感想

岬マリ(北川景子)(画像出典:http://www.tantei-bar.com/sp/cast.html)

 



 

そんな中、探偵は昔、マリに一度会ったことがあることを思い出し、
マリをかわいがっていた元娼婦のモンローのもとへ行き、マリの過去を知ります。
さらに、桐原組若頭・相田から、
マリはとても金に執着しており評判がよくないことも聞き、
探偵はマリに問います。

 

「なぜそこまで金が欲しいのか?」
「一人で何をしようとしているのか?」

 

 

探偵はBARにいる3,感想

モンロー(鈴木砂羽)(画像出典:http://www.tantei-bar.com/sp/cast.html)

 

探偵はBARにいる3,感想

相田(松重豊)(画像出典:http://www.tantei-bar.com/sp/cast.html)

 

 

行方不明になっていた諏訪麗子は、
途中までの探偵の読み通り、店でできた愛人・椿秀雄といました。

椿はトラックの運転手。

しかしただの運転手ではなく、運んでいたトラックに
積んでいたカニの中に覚せい剤を入れていました。
北城の部下としていわゆる「運び屋」をやっていたのです。

しかし椿は、運んでいる途中で殺されてしまいます。
椿の殺害を実行した北城組の工藤も、殺されてしまいます。

 

 

 

この二人を殺したのは、マリでした。

 

 

マリは、奪った覚せい剤を1億円で交換するためにこの計画を立てましたが、
覚せい剤を手に入れた後工藤と意見が対立したため、工藤も殺したのです。

 

マリは探偵を巻き込み、北城と覚せい剤と1億円の交換をしようとしますが、
取引当日に、マリは自分の身をかけてある事件を起こしてしまいます。

そこでやっとわかる、マリがお金を欲しがった理由。
その切ない理由に、最後に涙を浮かべる探偵なのでした…

 

 

ヒロイン・岬マリ(北川景子)の人生と凶行に至るまでの切ない動機

ヒロインの岬マリを演じたのは北川景子さん。
ドラマに映画に活躍中の女優さんですね。

 

岬マリの本名は、根本典子。

両親に先立たれ、生きるために体を売るという苦労人で、
好きな男ができて妊娠するも、捨てられてしまいます。
さらには子供を流産してしまい、それからは抜け殻状態に。

ただ息を吸って、吐いてるだけの毎日。

そんな頃にモンローの依頼で、道端で座り込んでいたマリを助けた探偵は、
マリに「命を燃やせるものを見つけろ」と言います。

マリはその後不治の病を抱え入院しますが、
そこで篠原里美という、4歳の女の子と出会います。

女の子の誕生日は、2月18日。
自分の子供の誕生日になるはずだった日であることに運命を感じたマリは
、篠原里美の存在そのものが「命を燃やすもの」になったのです。

マリがお金を手に入れたかったのは、難病を抱えた里美のためでした。

 



北城に拾われてからは相当ひどいこともやらされたのでしょう。
北城から金を手に入れ、成功すれば殺そうとまで考えていたマリは、
取引場所で銃を発砲。
しかし殺害は実行されず、彼女は投獄されました。

マリは、計画さえ遂行できれば最終的には捕まってもいい、
どうせ病気で死ぬのだから何も怖いものはないと、
最初から覚悟を持ってやっていたのでしょう。

 

探偵の最後の涙は、マリが最後に見つけた大切なものがまさかの赤の他人だったことに、
何とも切なさというか、辛さが込み上がってきたのですね…。

 

北川景子さんがただひたすら美しかった。

 

とにっっかく、北川景子さんが最初から最後まで美しかった。
「岬マリ」として綺麗に着飾って強く生きる姿も、「根本典子」の儚さいっぱいの姿も。

探偵シリーズは基本、美女からの依頼が入り、
それが大きな事件へと発展していくのがお決まりの構造ですが、
どの作品の美女も「秘めた辛い過去」がを持っており、その過去を清算するため犯罪に手を染め(染めようとし)ます。

なので『強さ』と『儚さ』を併せ持っている、というのが表現できる女優さんがいいかなと思うのですが、
北川景子さんが一番私の中ではぴったりでした。

抜け殻の頃はほぼすっぴんに近かったようですが、すっぴんでも美しい。
幸薄感がすごく出ている分、岬マリとして生きている今とのギャップが映えます。

 

過去作品と比較して、子供でも見られるようになったかも?

これまでは、ヒロインが自殺したり、銃を乱射し血が飛び散るシーンなどがありましたが、
今回はバイオレンス・ハードボイルド描写がかなり減りました。

AVとはまではいかなくても、結構生々しいシーンも前はありましたが、
今回は「朝目が覚めたら隣で寝ていた」というシーンのみ。

お子さんでも見られるようにしたんでしょうね。

そのおかげで、主演の大泉洋さんの娘さん(おそらく小学生になったばかりぐらい)が、
今回初めて映画を見せることができたそうです。

…が、番宣やインタビューなどでおっしゃっていましたが、
自分のお父さんがお母さん以外の知らない女の人(北川景子さんのこと)と寝ている姿を見るのは嫌だったと
言われたそうです。

子供としては、そりゃ複雑ですよね(笑)

 

マリは一体何の病気だったのか?「モルヒネ」は何の薬だったのか?

マリと一夜を共にした日、探偵はマリのカバンに入っていた薬「モルヒネ」を見て、
マリが重い病気を抱えていることを知ります。

作品中では具体的な病名は出ませんでしたが、
モルヒネは癌などの強い痛みを和らげる薬です。

やっと命を燃やせるものが見つかったのにこんな最期だなんて、悲しすぎますね…。

生まれ変わりがもしあるのなら、今度は子供と一緒に幸せになってほしい。

 



 

キャッチコピー「命を燃やすものは、あるか?」の意味

この物語は、「自分が生きる理由は何か?」というのがテーマになっているかと思います。

あくまで、主体は自分。
自分自身の命を指すようなキャッチです。

 

里美がもし自分の子供だったら、「守りたい命はあるか」みたいな、
自分以外の誰かの命を指すようなキャッチになっていたかもしれません。

 

生きる理由が見つけられない、自分には何の価値もないと思っている人間が
なぜ自分の命を燃やすことができるのか?

その結論を、マリの生き方を描くことで出しており、その描き方が美しいなあと思いました。